協和キリン、希少疾患治療薬を開発している英Orchard社を700億円で買収。
戦略的な意義はなんなのか。
おそらく多角化を目的しているのではないでしょうか。
協和キリンは2030年に向けたビジョンとして、「イノベーションへの情熱と多様な個性が輝くチームの力で、日本発のグローバル・スペシャリティファーマとして、病気と向き合う人々に笑顔をもたらすlife-changingな価値の継続的な創出を実現する」としています。現状として、協和キリンの強みは抗体技術ですので、遺伝子治療領域で強みを持つOrchardを買収することによって新しいモダリティへの参入または新たなシナジー創出を意図しているのだと考えられます。
Orchardの強みは?なぜ買収?
保有製品と開発pipeline
Orchardの保有する遺伝子治療の技術
患者の血液から造血幹細胞を取り出してレンチウイルスで遺伝子導入した後患者に戻すという技術です。
レンチウィルスによって導入されるため一回投与で済むことがメリットです。また遺伝子導入細胞は全身を循環するため、長期間持続的に作用することが期待できます。先天的な免疫疾患やBBB通過できるメリットを生かした神経代謝性神経変性疾患を治療できる可能性があると説明されていました。
https://www.orchard-tx.com/approach/gene-therapy/
一方、患者由来細胞を使用するため製造コストが高くなります。また、遺伝子導入造血幹細胞を移植する前に、患者体内の造血幹細胞を減らす必要があります。
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